カテゴリー:AI入門
― AIが自信満々に“間違える”ってホント? ―

「AIってすごいらしいけど、ほんとに信じていいの?」
「ChatGPTに聞いたら、堂々と間違ったことを言われたんだけど…?」
そんな疑問や不安を感じたこと、ありませんか?
実はそれ、“ハルシネーション”と呼ばれる現象が原因かもしれません。
ハルシネーションとは、ChatGPTなどのAIが、
もっともらしいけど、実はウソの情報を出してしまうこと。
これはAIの“バグ”というよりも、「しくみ上、どうしても起きてしまう現象」なんです。

今回は、こんなことをやさしく解説していきます
- そもそもハルシネーションってなに?
- 実際にあった“本当の事件”ってどんなの?
- ChatGPTを安全に使うには、どうしたらいいの?
- 今のChatGPTって検索できるの? それでも間違えるの?
むずかしい専門用語は使いません。
AI初心者の方でも安心して読めるように、身近なたとえや実例を交えて、ゆっくり丁寧に解説していきます。
読み終わったころにはきっと──
「あ、なるほど。じゃあこうやって使えばいいんだ」
と、ChatGPTとのつきあい方が、ぐっと身近に感じられるはずです。
それでは、さっそく見ていきましょう!
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🤯 昔はこんなことが、よくありました
ChatGPTに、こんなシンプルな質問をしてみた人がいました。
「0.9と0.19、どちらが大きい?」
もちろん答えは 0.9(90%)ですよね。
でも、以前のChatGPTは、こう答えることがあったんです。
「0.19の方が大きいです」
…えっ!?ってなりますよね。
これは、AIが数字の意味を正しく理解しているわけではないということをよく表している例です。
見た目や文脈から「それっぽい」答えを組み立ててしまう──まさにハルシネーションです。
🧬 今はだいぶマシになった。でも──
現在のChatGPTは、以前に比べて格段に賢くなっています。
このような単純なミスは少なくなり、信頼性も大きく向上しました。
でも、それでも──
堂々とウソをつくことが、今でもあるんです。
しかもそのウソ、見た目はとても正しそうに見えるのがやっかいなところ。
ここからは、実際に起きた「リアルなハルシネーション事件簿」をいくつかご紹介します。
📚 実際にあった「本当のハルシネーション」事件簿
⚖️ 1. 弁護士が“でっち上げ判例”を使ってしまった
2023年、アメリカの裁判所で──
ChatGPTを使って書かれた弁護士の書類に、実在しない6つの裁判記録が含まれていたことが発覚。
裁判官はこれを重大な問題とし、弁護士と法律事務所に罰金5,000ドルを科しました。
「まさかAIがウソの判例を作るとは…」という事例です。
🔭 2. GoogleのAIが“宇宙の歴史”を間違える
Googleが発表したAI「Bard」のデモで、
「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、初めて系外惑星の写真を撮影した」
と紹介されました。
でも、実際に最初に撮影したのは、ヨーロッパ南天天文台のVLT望遠鏡(2004年)。
この誤りはニュースとなり、Googleの株価が下落する騒ぎにまで発展しました。
💸 3. CNETのAI記事、半数以上がミス
アメリカのテック系メディア「CNET」は、AIを使って金融系の記事77本を自動生成。
しかし後に調査したところ、41本に重大な誤りが見つかり、すべて修正することに。
特にお金の話は、ちょっとのミスが命取りになりますよね。
📖 4. 学術論文の参考文献が、ほぼ“全部ウソ”
ある研究者がChatGPTで生成した600件以上の文献リストをチェックしたところ、
なんと約4分の1が実在しない文献だったことが判明。
しかも、著者名・雑誌名・ページ番号なども、すべてそれっぽく捏造されていました。
🤔 なぜ、こんなことが起きるの?
ChatGPTは「インターネットで調べて答えている」と思われがちですが、
実際には基本的にこういう仕組みで動いています:
「次に来そうな言葉を予測して並べているだけ」
つまり、AIは“記憶”ではなく“予測”で動いているのです。
正しいかどうかよりも、「流れとして自然かどうか」で文章をつくってしまうため、まったく事実無根な話も“それっぽく”語ってしまうのです。
🔍「今は検索できるんじゃないの?」という疑問について
たしかに──以前のChatGPTは、完全にオフラインの知識(2021〜2023年頃までの学習データ)だけで動いていました。
でも今は違います。
- 有料版のChatGPT Plus(GPT-4)では、「ブラウジング機能」が搭載され、リアルタイム検索が可能に。
- DEEPリサーチ機能では、明示的に出典(リンク・記事タイトルなど)を表示してくれる場面もあります。
- BingやGeminiなど、検索とAIを組み合わせたツールもどんどん増えています。
つまり、AIが「今この瞬間にネットで調べる」ことができる時代になりつつあるのです。
でも、それでも「安心」はできません
検索できても、ハルシネーションは完全には防げません。
なぜなら──
- 信頼性の低いサイトをソースにすることがある
- 見出しや冒頭だけを読んで、内容を誤解してしまうことがある
- 複数の情報を“うまく混ぜて”、実在しないストーリーにすることもある
つまり、検索できても「正確に読んで、正しく伝えているか」はまた別問題なんです。
⚠️ 専門分野ほど、ハルシネーションの影響は大きい
AIの間違いは、「ちょっとした勘違い」だけではありません。
特に以下のような専門性の高い分野では、ハルシネーションが重大なリスクを生むことがあります。
- 医療:誤った症状名、危険な薬の組み合わせ、副作用の過小評価
- 法律:実在しない判例、誤った法令引用、無効なアドバイス
- 金融・税務:誤った金利計算、控除制度の間違い、古い情報のままの解釈
これらは、間違った情報のまま実行すると取り返しがつかなくなるケースもあります。
AIを相談相手にはできても、“最終判断の専門家”にはなれない。
こうした分野では、必ず人間の専門家による確認を入れるようにしましょう。
✅ ハルシネーションを見抜くコツ
AI初心者でもできる「ウソの見抜き方」をご紹介します。
✅ 1. 出典を確認する
ChatGPTのDEEPリサーチモードやブラウジング機能では、出典がリンク付きで表示されることがあります。
たとえば、「〇〇について教えて」と聞いたときに、下にURLやニュース記事名が出てくるケースも。
これは便利ですが、リンクがある=安心とは限りません。
以下のような視点でチェックするのがおすすめです:
- そのサイトは信頼できるメディア?
- 情報が古すぎない?
- 見出しと本文の内容に矛盾はない?
もし出典が出てこない場合は、「この情報の根拠は何ですか?」と聞いてみるのもよい方法です。
✅ 2. 数字や計算は自分でチェック
→ 金額、日付、割合、順位など、自分でも一度確認するクセをつけましょう。
✅ 3. 複数の情報源を見る
→ 一つの回答だけで納得せず、検索エンジン・他のAI・公的機関のサイトなどもあわせて見てみると安心です。
💬 AIを信じるな、活かせ!
ChatGPTはとても便利なツールです。
使い方によっては、アイデア出し・文章の下書き・思考整理・質問のたたき台など、頼れる相棒になってくれます。
でも、その力を最大限に引き出すには、
「信じる」のではなく、「確かめる」
という意識がとても大切です。
🧾 まとめ:ハルシネーションを知ることが、賢いAI活用の第一歩
- ハルシネーションとは「それっぽいけど実はウソ」なAIの出力
- ChatGPTは、事実を“調べて”いるのではなく、“予測して”いる
- 今は検索もできるけど、正しく解釈しているとは限らない
- 医療・法律・金融などの分野では、特に慎重に使うべき
- 最後に判断するのは、人間の責任
ChatGPTを賢く使いこなすには、AIに頼りすぎない目線と、“確認する力”がカギです。
それさえあれば、AIはとても便利で頼もしい味方になってくれます。
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